算命学
〜行雲流水のように〜
天中殺
天中殺という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
漢字の並びから見ても、何だか恐ろしいイメージを持たれる
方もいらっしゃるかもしれません。
確かに天中殺期間は、禍が起きる可能性が高い時期だと言えます。
ここでは専門的な話は省きますが、簡単に天中殺についての考え方を
説明をさせて頂きます。
天中殺の種類は全部で6つ
(子丑・寅卯・辰巳・午未・申酉・戌亥)あり、
訪れる時期、若しくは場所については以下の4つに分けられます。
1.大運(10年単位で訪れる運気の入れ替わりを示す周期)が天中殺と重なる
2.年運(毎年訪れる運気の入れ替わりを示す周期)が天中殺と重なる
3.月運(毎月訪れる運気の入れ替わりを示す周期)が天中殺と重なる
4.宿命の中に中殺された星がある
天中殺に入ると普段とは違う空間、つまり異常な空間に自分自身を置くことになります。
いつもと違う空間、異常な空間、とはどういうことなのでしょうか。
また、その空間にいると、どういったことが起きてくるのでしょうか。
普段私たちが身を置いている現実世界を冷静に見渡してみると、私利私欲のために他人を犠牲にし、
利害や打算に心を奪われ我欲に執着する人がいかに多いかということに気付かされます。
天中殺の時期は、この現実世界から一線を画した空間に身を置くということです。
また、次の段階に飛躍するための大切な魂の浄化期間と言っても良いでしょう。
この期間は、自己を無にすること、つまり受身で過ごすことが重要だと言われています。
また、自分自身が異常な空間に置かれ、不完全な気に包まれますので、
誤った判断をする可能性も高くなります。
ですから、この期間には後々影響があるような重要な決断、
若しくは物事を新しく始める事等はなるべくなら避けた方が良いでしょう。
例えば、家を買う、結婚をする、事業を始める等人生における重要な決断は、
天中殺が明けた後に行うことをお勧めします。
しかし宿命よっては、人生の中で一番の活動期にあたる時代に天中殺が重なる方も多くいらっしゃいます。
このような場合には、天中殺の解釈の仕方が重要となってきます。
人それぞれ置かれている状況により、対処の仕方も多種多様です。
例えば天中殺期間には、禍だけが起こりやすいという訳ではなく、逆に大成功を収める人も沢山います。
これは、異常な空間に身を置かれることにより、本来持っている力以上のものを出せる可能性もあるということです。
しかし、成功を全て我が物にしようとしたり、欲得だけに固執すると、
その後禍が起きる可能性は非常に高くなると言えます。
天中殺を次の準備期間と捉えれば、その期間をいよいよ抜けるという時こそが、
その人の真価が問われる時だと私は考えます。
自分が得た成功は、自分だけのものではないと考えれば、果たしてどのような行動に出ればよいのか。
常に感謝の気持ちを持ちながら生きている方ならば、「言うに及ばず」でしょう。
世間では、天中殺=禍という固定的観念が持たれている事が多く、
ただいたずらに恐怖心を煽ってとりあげられることもあるようです。
しかし、ここで言う禍とは、この期間にふさわしい生き方をしておらず、
それまで以上に私利私欲を追い求める生き方をする人に現れるに過ぎないのです。
天中殺について簡単に説明してきましたが、次のような誤解をされる方がいらっしゃるため
最後にもうひとつアドバイスをしたいと思います。
天中殺期間には新たな決断、行動を避けた方が良いと説明しましたが、
行動の範囲を狭めたり、積極的な活動を控えろという意味では決してありません。
算命学では、「動く」即ち「活動する」ことが大原則なのです。
自ら動き、活動すること。それは、「生きること」に他なりません。
天中殺の時期は、勉強するのに非常に適した時期とも言えます。
次のステージでより自分らしく輝くために、この「天中殺」という修養期間を利用して多くの研鑽を積み、様々な困難を乗り越えていけるだけの英知を養いましょう。